第3回愛知県栄養士会スポーツ栄養セミナー(2019/6/15)「現場におけるスポーツ栄養とこころ」

日時:令和元年6月15日(土) 13:20~16:50
場所:ウインクあいち901名古屋市中村区名駅4丁目4-38


(1) 「トップスポーツ選手に対する栄養サポート ~バドミントン日本代表チームを例に~」
   講師 独立行政法人日本スポーツ振興センター・
      国立スポーツ科学センター スポーツ科学部
         公認スポーツ栄養士 井上 なぎさ 先生

東京2020オリンピックの金メダル候補競技の ひとつであるバドミントン。その日本代表チームを 食事面から支えている、取り組み内容をご紹介いただきました。競技成績・身体組成・食事調査など様々なデータを分析し、世界を舞台にベストパフォーマンスを発揮するために必要な身体(筋肉量等)はどの程度で、そのためサプリメントには頼らず、普段の食事にどんな食品を追加したり、遠征先に何を持参すると栄養素を充足させることができるのか、毎回テーマを絞りながら簡潔にまとめたA4サイズの資料を選手に渡し、ミニ講座を行っているとのことでした。選手自身が食行動改善への第一歩が踏み出せるよう、気づきを促すことの重要さを改めて感じる機会となりました。

(2)「現場で生かすスポーツ心理学」
      講師 日本福祉大学スポーツ科学部 教授
      日本スポーツ心理学会 会長
      ソチ2014冬季パラリンピック競技大会 日本代表選手団団長
         荒木 雅信 先生

ベストパフォーマンスを発揮するうえで注目 されている心理面からのアプローチ。アスリートに必要とされる5つの心理スキルをご紹介いただきました。①目標設定スキル:できる目標をたて、それを成し遂げるやる気、②積極的思考:思いもよらない事態の際、「出来ない」「駄目だ」などの言葉を使わない対処、③自己分析:状況を判断し、それを自ら伝えられること、④リラクセーション技法:1つは持っていること。実際にこれらのスキルがなければ、メンタルトレーニングの効果は得にくいようです。さらに、心理面において選手の自立を妨げることなく、意思を否定せず、聴く姿勢をもつ、褒める場合はその根拠も伝えられるサポートスタッフが周りにいることが重要であり、スポーツ栄養士として多職種との連携体制を考えておく必要性があることを学ぶことが出来ました。

研修会報告

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