日時:令和4年8月6日(土)10:20~14:50
場所:Zoomウェビナーによるライブ配信
参加者:84名(うち県外会員1名)
内容:
テーマ:『広がる管理栄養士のフィールドダブルライセンス管理栄養士から学ぼう』
午前の部:10:30~12:00
演題:キャリアアップをしてチーム医療に参加しよう
講師:武蔵野赤十字病院 医療技術部 栄養課長
(公社)日本栄養士会医療事業推進委員会委員長
原 純也 先生
午後の部:13:00~14:30
演題:ダブルライセンス管理栄養士に学ぶチーム医療・症例検討
講師:
(1)摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の立場から
中部ろうさい病院 森山大介 先生
(2)がん病態栄養専門管理栄養士の立場から
愛知医科大学病院 竹内 知子 先生
(3)日本糖尿病療養指導士の立場から
八千代病院 鈴木 未宇 先生
午前の部では今年度より、がん病態栄養専門管理栄養士による指導が評価され診療報酬の算定が改定された事を踏まえ管理栄養士の介入により得られる診療報酬について100枚を超えるスライドをテンポ良くお話くださいました。
その中でAIによる未来に生き残る職業ランキング、失われる職業ランキングの両方に管理栄養士がランクインしているそうです。管理栄養士が将来生き残るためには戦略的に、より専門的な管理栄養士の関わりで治療効果の向上、シームレスな栄養管理の必要性が認められ、評価された結果が診療報酬に反映されるだろう。「より専門的」と表現される一つの形としてダブルライセンス管理栄養士があるのではないか、管理栄養士を取得し更に医療の専門性を高める資格を取得する事で見えてくる展望もあるのではないか、未来の管理栄養士のあり方に期待が膨らむ内容でした。
原先生流の研鑽の継続、学会への参加の目的、モチベーションの維持のために大切にされている仲間作り、こちらも見習い初心忘れるべからずの気持ちで今後も学会参加など仲間が集う場へ積極的に参加をしていきたいと思います。
午後の部では実際に専門管理栄養士として勤務されている3名の先生からお話を伺いました。
嚥下障害、がん、糖尿病を患っておられる方への対応は医療職域の管理栄養士であれば栄養指導やベットサイド訪問など少なからず関わりのある疾患ではありますが、実際に嚥下造影検査に立ち会う管理栄養士はどの程度いるのか。がん性疾患において抗がん剤の副作用や悪液質のステージの違いによる栄養介入がどの程度されているのか。
インスリンを必要とする糖尿病患者への柔軟なカーボカウントの指導が出来ているのか。今までの業務が本当に役に立っていたのか、見えていなかった事があったのではないかと講演を拝聴し反省すると同時により深く専門性を活かした関わるやりがいを得たいという新たな目標を実感する事が出来ました。
セッション終了後のパネルディスカッションでは専門性に特化していてもチーム医療を担う一員である以上はチームワークや切磋琢磨する姿勢、コミュニケーションスキルも大切であると再確認しました。
午前・午後ともに栄養士の価値を再認識する内容でした、診療報酬は医療現場で働く栄養士としてはその価値が認められた一つの実績だと思います。一人一人が自分の専門性を高め、お互いに意見交換を柔軟に行いより幅広くEBMを確立し栄養療法を確固たる形へブラッシュアップしていこうと今回の研修から学ばせて頂きました。原先生、森山先生、竹内先生、鈴木先生、貴重なご講演ありがとうございました。
公立陶生病院 向井須美