日時:令和元年11月23日(土)10:30~16:30
場所:業務用厨房ショールーム「プロ厨房オイシス」
参加者:33名(会員32名、非会員1名)
全体会
伝達講習 『~学会スライドを作ってみよう~』
講師:認定栄養CS杉浦病院/地域ケアステーション はらぺこスパイス室長
名古屋学芸大学健康・栄養研究所 客員研究員
奥村 圭子氏
福祉部会の会員の中には、学会発表はとてもハードルが高く自分ごとに思えなかったと言う方も多く、何をどのようにしていけば良いのかわからない疑問を、学会発表の経験が豊富な奥村圭子氏より、実践と共に教えて頂きました。日々の業務の中で何となく感じる疑問などの身近なテーマでも、数値化することで目に見える形になり、他者に訴えることができるようになると分かりました。
学会で発表する為のテーマの探し方や伝える為の作成ポイントなどを具体的に分かりやすく解説して下さり少しずつ自分達でも出来そうな前向きな気持ちを持つことができました。
グループワークではそれぞれの分科会ごとに分かれ、持参した症例でまとめ方の例を見ながらどのグループも活発に意見を出し合うことができました。
さらに今後、福祉部会で学会発表の研究会が立ち上がることも発表され、来年はさらに発展していくことが楽しみです。
報告者:田中雅子
高齢分科会
講義「栄養関連加算の算定における課題解決の為の取り組み」
講師:社会福祉法人あいち 特別養護老人ホーム メリーホーム大喜 田中 雅子氏
「栄養関連加算の算定における課題解決の為の取り組み」をテーマとして、社会福祉法人あいち特別養護老人ホームメリーホーム大喜の管理栄養士、田中雅子さんに発表していただきました。
前回は、経口維持加算、経口移行加算、低栄養リスク改善加算、再入所時栄養連携加算等の算定要件や実際の事例を紹介し、算定のイメージをしてもらう研修でしたが、今回は加算を算定するために必要な多職種や他機関との連携方法、加算導入までの流れを実際の例を用いてお話ししてもらいました。
加算を算定するには、多職種が互いの現状と問題点を出し合いながら今後の方針(目標)を設定し、家族に説明、了承を得ることが必要です。
計画を立てるにあたり家族、本人の望みを具体的な目標にし、方向性と計画の内容を説明したときに「ぜひ、これでお願いします」と言われるようなものにしていくことが大切です。
今までは他の職種がやっている事が見えず、共通認識に欠ける部分もあったかもしれません。しかし、チームで協働することにより、それぞれの役割が明確になり、より効果的に介入することで結果につながっていくと思います。
加算を導入することにより、「こんなに違うんですね」と喜んでもらえるものであるよう取り組んでいきたいと思います。
今回の研修に参加してくださった施設が、1件でも多く病院側に加算算定の依頼をすることで、病院の対応もスムースになるのではないでしょうか。
また、今後の監査では、ただ数字や書類が揃っているのかを見るのではなく、入所している人、家族が望んでいることができているか?そのモニタリング・評価ができているかどうかが大切になってきます。
報告者:森島敦子
障害分科会
講義「栄養ケアマネジメントの実際」
講師:(社福)愛知県厚生事業団 障害者支援施設 愛厚半田の里 蔦木 里衣氏
前回は「障がい者総合支援法での栄養士に関わる加算をとるには」のテーマで施設内での栄養士の存在価値を示し、栄養ケアマネジメントを始めていきましょうという講義を行いました。
今回は前回の内容を引き継ぎ、実際に栄養ケアマネジメントの実際を教えていただきました。具体的に栄養ケアマネジメントの流れをステップごとにお話しいただき自分の施設の利用者さんをイメージしながら聞くことが出来、わかりやすい講義でした。講義の後は施設の症例を持ちより話し合いながら症例にそって実際の書類にスクリーニング、アセスメント、ケア計画案の作成、栄養ケア提供経過記録のかき方などを順番に書き込んでいき、より一層ケアマネジメントの実際が理解できたと思います。その後のサービス担当者会議のロールプレイも他職種やご本人・保護者の方とのやりとり等勉強になりました。今回も栄養ケアマネジメントを通して栄養士の必要性を施設に伝え、使われないサービス(栄養士という職種の危機に繋がります)にならないようにみんなで頑張って行こうと思える研修会でした。
さらに今後障がい者の栄養ケアを科学的に考えていけるため、また一人では迷ったり不安に感じることも皆で考えたりデータ収集等も行っていこうと福祉部会研究会への参加も呼びかけました。たくさんのご参加をお待ちしています。
報告者:柳田美紀
児童分科会
(1) 講義「授乳・離乳の支援ガイドの改定について」
講師:講師 名古屋市役所 子育て支援課 河合 真未氏
(2) 講義「職場における課題の発見と共有」
講師:社会福祉法人 熱田福祉会 けやきの木保育園 土居 ひろみ氏
童の分科会では、2題の講義と参加者全員でのディスカッションを行いました。
「授乳・離乳の支援ガイドの改定について」では、ガイドの基本的な考え方、改定のポイント、授乳・離乳の動向や支援の方法など多岐にわたる内容を分かりやすく、要領よく話していただきました。参加者が母子の支援に関わる栄養士が主だったため、後のディスカッションでも離乳の支援について情報交換が行われました。
「職場における課題の発見と共有」では、長年、保育園の栄養士としての実践と、その中で見つけた課題に取り組んでみえた経験をお話しいただきました。種類の違う
りんごを子どもたちに食べ比べをさせたり、親子で一緒に食べる給食会を開催したりなど興味深い内容でした。一方、保育園の栄養士は職員としての処遇は調理員としての格付けとなり、保育士などと差があるのを、園と粘り強く交渉し保育士と同等の処遇を勝ち得てこられましたが、若い人が2・3年で辞めてしまい後に続く栄養士がいない現状を憂慮されていました。
ディスカッションでは離乳食のほか、アレルギーのある子どものおやつやフォローアップミルクについてなどについて、他の栄養士の考え方を聞くことができ有意義な話し合いになりました。
報告者:杉浦正美
★福祉部会研究会へのお誘い★
各地で発足し活動を始めた食のプラットフォームの中に、福祉部会研究会(仮称)が発足しました。今まで蓄積したデータを、あるいは、栄養士の必要性を、皆で科学的にまとめたり発表しませんか?
日時:令和2年1月19日(土) 10:00~11:30
会場:社会福祉法人あいち 特別養護老人ホーム メリーホーム大喜
★瑞穂栄養士の結★
日時:令和2年2月23日(日)
会場:社会福祉法人あいち 特別養護老人ホーム メリーホーム大喜
他にも、大府拠点で高齢者関係、半田拠点で障害者関係、名古屋拠点で児童関係の、食のプラットフォームが開催予定です。やる気あふれる多くの方の参加をお待ちしています。