福祉部会第2回研修会報告

日時:令和 3 年 9 月 12 日(日)13:15~17:00
場所:Zoom ウェビナーによるオンライン
参加者:50 名
内容:

講義Ⅰ「食品衛生法の改正と HACCP に沿った衛生管理について」
       名古屋市保健所健康部食品衛生課
          主査 森川 検証 氏
          技師 森田 泰正 氏

 講義Ⅱ「集団給食にまつわる法律問題」
       名古屋市東部児童相談所 法務主幹 中野 智昭 氏


講義Ⅰでは、まず昨年度施行された「改正食品衛生法」について、栄養士・管理栄養士 の職務に係る部分の説明があり、その中で「HACCP の制度化」について解説いただきまし た。その後、リスク要因である食中毒や異物混入の状況についてお話いただき、最後に HACCP の考え方を取り入れた衛生管理のポイントを説明いただきました。私たちが平常行 っている衛生管理が、どう HACCP の考え方に結び付くかを、とてもわかりやすくお話しいただきました。
 また詳細な資料は、自分たちで施設でのリスク要因は何か、どんなところにその危険性 があるのかを考えていかなければならない「HACCP の制度化」に対応するためのよいテキ ストになると思います。
 講義Ⅱでは弁護士を講師として、食中毒、誤嚥・窒息、アレルギーについて、裁判にな ったものを中心に実際に起きた事例を解説いただきました。講師からは判例と判例用語 の解説を記した膨大な資料をご準備いただき、普段の栄養業務のリスク管理の振り返り ができました。
 冒頭、講師からの「同じような事例でも必ずしも同じ結論になるわけではないが、集団 給食で事故が起きた場合に管理栄養士・栄養士にどのような責任が問われる可能性があ るのか、また何ができるのかを振り返る場にしてほしい。」との言葉から始まりました。 講義Ⅰの内容も踏まえながら、専門的な法律用語についてやエピペン注射の緊急対応時 の法的根拠などについてもご説明いただきました。
 2つの講義を通して学んだリスク管理の重要なポイントは、1.自分たちの施設で事故 が起きる危険性はどこにあるのかを多職種間で情報共有し、2.共有したリスクに対して どのように対応するかを話し合ってリスク管理方法を決定し、3,決めたことは必ず記録 に残すことです。是非、それぞれの職場でのリスク管理に活かしていただければと思いま す。
 最後になりましたが、途中、司会の声が参加者に届かなくなるトラブルがあり、参加者 の皆さまにはご迷惑をおかけしましたことを、この場を借りてお詫びいたします。

報告::福祉部会 杉浦 正美