日時:平成30年5月12日(土) 10:30~15:45
場所:名古屋国際会議場 展示室211.212
内容:
午前の部 10:30~12:00
(講演1)
演題:食べたいを支えるコミュニケーション~終末期がん患者との関わり方~
講師:名古屋掖済会病院 緩和ケア認定看護師 杉浦 加奈先生
後半の部 13:30~15:45
(講演2)
演題:がんの栄養代謝とケトン食療法
講師:東京都保健医療公社 多摩南部地域病院 古川 健司先生生
参加者:会員 114名、県外 1名、非会員 5名
平成30年5月12日(土)、名古屋国際会議場において第1回医療部会研修会が実施されました。今回の研修内容は、がん患者に「何か食べたい物はないですか?」だけでなく管理栄養士は何をすべきか、という意見から検討された内容で行われました。
はじめに、医療部会部会長から今年度の診療報酬改定より、今後の管理栄養士の在り方について伝えられました。診療報酬だけでなく介護報酬についても理解すること、厚労省への要望にはエビデンスを持って行うこと。注意点として栄養管理計画書、栄養治療実施計画兼栄養治療実施報告書に嚥下食分類の記載が必須となること。診療報酬にも影響のある9月の栄養部門実態調査の依頼にはご協力をお願いします。
午前の部では、名古屋掖済会病院緩和ケア認定看護師の杉浦加奈先生にご講演いただきました。
がん患者の全人的苦痛へのサポートには一人では限界があり、「食べたい時」「食べたいもの」「食べられるもの」を多職種で検討するチームアプローチが必要。患者がどんな思いで食べているのか、患者にとって「食べること」の意味を考えながらコミュニケーションをとることが大切であると教えていただきました。最後にコミュニケーションスキルとして傾聴と共感のロールプレイを会員同士で行い、話を「聴く」ことの重要性を実感しました。
午後の部では、東京都保健医療公社多摩南部地域病院の古川健司先生にご講演いただきました。
みなさん正しい糖質制限食を知っていますか?社会的にも糖質制限という言葉が飛び交っています。エビデンスのある方法と商業的な考えのものがあり正しい知識を持っていないと患者からの質問に答えられません。がん細胞は正常細胞と比べ数倍から数十倍ものブドウ糖を取り込んで消費していることから、対応するケトン食療法も具体的に提示され管理栄養士の力が必要ということでした。世界的にも行っている医療者が少ない為、学会発表にもアンテナを張り、学びを深めなくてはならないと感じました。
冒頭にもありましたが、あらためて私たち管理栄養士にとってエビデンスが重要で必須であることを確認する研修会となりました。
以上
報告者:総合青山病院 岩間克氏