日時:平成29年1月28日(土) 10:30~15:45
場所:名古屋通信ビル 2Fホール
内容:
午前の部
10:30~12:00
演題:「がん治療中の食事と栄養管理」
講師:静岡県立静岡がんセンター 栄養室長 稲野利美 先生
午後の部
13:00~13:30
演題: 「最新の栄養管理のトピックス」
講師:ニュートリー株式会社 クリニカル・マーケティング部 浜田健太郎 先生 13:35~15:45
演題: 「がん患者の栄養 ―診断時から終末期まで― 」
講師:上尾中央総合病院 栄養サポートセンター センター長 大村健二 先生
参加者:153名(会員140名・県外会員3名・非会員10名)
平成29年1月28日(土)名古屋通信ビルにおいて第3回医療部会研修会が実施されました。
午前の部では、静岡県立静岡がんセンター栄養室室長の稲野利美先生に「がん治療中の食事と栄養管理」についてご講演いただきました。
患者さんのアンケート結果から、がん患者さんの治療中の悩みや負担について、また食事に対してどんな不安があるのか教えていただきました。また、患者さんの悩みも年々変化してきているということを聞き、どうやったら患者さんの悩みや苦痛を軽減できるか学びました。
がん治療には、外科療法・放射線療法・化学療法・薬物療法など様々あり、その治療の過程で起こる副作用に対応する食事・栄養管理のポイントを教えていただきました。患者さんの食事の副作用は個人でだいぶ異なりますが、どんな工夫をしたら、少しでも患者さんが食事を食べやすいか学びました。食欲不振事・悪心、嘔吐・口内炎・味覚障害時の工夫のポイントを具体的に学び、少しでも実践できように頑張りたいと思います。
午後からは、ニュートリー株式会社 浜田健太郎先生から「がん治療と微量栄養素」についてがん治療中の微量栄養素の重要性についてご講演いただきました。
その後、上尾中央総合病院、栄養サポートセンター センター長の大村健二先生に 「がん患者の栄養―診断時から終末期まで―」についてご講演いただきました。
大村先生の経験豊かながん患者さんとの触れ合いをもとにご講演いただきました。始めに、がんを患うと人は「死」を意識し、自分が不幸になったと思いがちであるが、家族と医療従事者の尽力次第で精神的良好度も高く保つことができると聞き、私はがんに対する考えが少し変化しました。がんという病気は病気の中でも人情味溢れる病気であるようです。
次に、がん治療の化学療法や放射線治療を行う上で、適切な栄養摂取を行うことが大事であり、体重を減少させないことが、治癒につながることが分かっているそうです。胃がん、食道がん、膵がんなど、とくに消化器系の手術後は、栄養摂取を工夫しないとほとんどの人で体重が減ってしまう。体重を定期的に測定する理由は栄養が足りているかどうか判断するためにかかせないそうです。様々な副作用が出る中で、少しでも栄養のあるもの、特にタンパク質を十分に摂取し、体重減少を抑えて筋肉が減らないように、身体機能を維持することが重要になっているそうです。
最後に、患者さんの症例をいくつか紹介していただき大変有意義な研修会となりました。
報告者:日本ゼネラルフード(株) 坂井淳一
今回の第3回研修会を持ちまして平成28年度の研修会が終了いたしました。3回の研修会とも多数の参加を頂き誠にありがとうございました。医療部会の運営委員会では来年度も皆様に取って有意義な研修会を目指し企画しております。詳細につきましては愛知県栄養士会のホームページ、部会ニュース等で随時お知らせいたします。今年度同様にご参加いただきますようお願いいたします。
医療部会 運営委員一同