2019年度(公社)愛知県栄養士会 スポーツ栄養講座実践コース(2019/7/7/)

日時:令和元年7月7日(日) 9:30~16:40
場所:愛知県栄養士会事務所内


(1) 9:30~11:00 スポーツ栄養マネジメント~栄養補給計画~
    森田有貴 先生

1限目は栄養補給量の指標、エネルギー補給量の評価、栄養補給量の評価の講義であった。
 栄養補給量の指標については、アスリートの栄養補給量を設定するにあたり、食事摂取基準をただ活用するだけでなくアスリートの特性、目的を考慮することが重要な点であるとのお話があった。
 エネルギー補給量の評価および栄養補給量の評価については、エネルギー消費量の測定方法の特徴を把握し、体重などの体組成の変化を確認しながら評価すること、さらに、食事量やトレーニング量の変化にも注意して評価することがお話された。最後に栄養補給計画に正解はないこと、アセスメントを活用して随時修正していく必要があるとのことであった。

(2)11:10~12:40 スポーツ栄養マネジメント 行動計画およびステージモデル
    大野千秋 先生

2限目は、行動変容ステージに沿った行動計画の講義と演習であった。
 無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期それぞれの行動ステージ別の選手に向けの変容プロセスとテクニックについてお話があった。各時期に対応した考え方や行動についてのアプローチ方法の紹介があり、どの時期にも、対象者に「よし、やってみよう」と思わせることが必要であるとのことであった。さらに後半では、演習を行い、例題(陸上長距離選手、女性)を用いて行動変容ステージの推定、支援の行動計画の立案を行った。すべての行動変容ステージにおいて目的・目標達成には、選手の心の声をしっかりと聞くこと、選手の価値観で話をすること、できることを一緒に行うことが重要であるとのことであった。

(3)13:30~15:00 スポーツ栄養マネジメント スポーツ選手の栄養教育
    上野秀美 先生

3限目は、各ライフステージ別の栄養教育の講義、実際の栄養教育の紹介、そして演習であった。
 各ライフステージ別の栄養教育については、身体的特徴、食生活の特徴、食環境別にお話があった。特に、学童期・思春期の対象者において、競技者としてよりも発育・発達段階に応じた栄養教育を実施するよう警告があった。栄養教育の実際については、栄養教育は選手だけでなく、調理担当者や保護者にも行うこと、計画は短期、中期、長期計画に分けて実施することが効果的であるとのことであった。演習は例題を用いて、初回の栄養教室を開催するための計画案を立案し、受講者間で共有した。

(3)15:10~16:40 スポーツ栄養の最新トピック
    小川静香 先生

4限目は、糖質制限、時間栄養学、最新のサプリメント事情、そして女性アスリートの三主徴についての講義であった。
 最近の論文紹介や研究報告を交えて最近の選手の実態、対象者への効果の有無・危険性のお話がされ、受講者と意見交換を行いながらの講義であった。また、小川先生自身の選手としての体験談もあり、栄養士側と選手側の両側の想いについてお話しがあった。