日時:令和4年6月25日(土) 9時20分~13時30分
実施方法:ZOOM(講義:ウェビナー、交流会:ミーティング)によるオンライン講座 (オンデマンド配信あり)
文責:野間千里
内容:
講演(1) 9時20分~11時
「食行動の変容を促す栄養サポート~ナッジを含む行動科学の理論やモデル~」
お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 教授 赤松利恵先生
栄養サポート等を行う上では対象者の食行動の変容が求められるが、単に知識を教えるだけではなく、対象者がどのような状況にあるかを判断し、必要なアプローチ方法を考慮した上で、 重要性や自信を伝えることが大切であるというお話をしていただいた。また、食後に必ずタバコを吸ってしまう対象者に対し、単に禁煙を指導するのではなく、代わりにコーヒーを飲むよう促し行動の置換を提案するなどのアプローチ方法も例に挙げお話をしていただいた。
さらに行動変容は対象者が自ら選択する方が効果的であるなど、すぐに実践で活用できそうな有意義なお話をしていただいた。
講演(2) 11時10分~12時40分
「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」
中部大学 応用生物学部食品栄養科学科 講師 田中守先生
食物依存性運動誘発アナフィラキシーとはアレルゲンである食物を摂り、その後運動することにより出現するアレルギー反応をいい、検査によって予め発見することは難しいとされる。
およそ8割が昼食後に発症し、回復までには6時間ほどを要することもある。8割以上が食後30分から60分以内に運動をすることで発症しているため、食後は1時間~4時間は運動しない、運動前に原因食品を食べないことが重要であるというお話をしていただいた。
また運動以外の要因として疲労・ストレス・高温・寒冷・月経前などが考えられアレルゲン化の低下に期待される食品などの研究も進んでいるなど、先生の研究の成果や発症のメカニズムについての基礎知識につき有意義なお話をしていただいた。