日時:平成28年2月20日(土)15:00~17:00
場所:愛知県学校給食総合センター 第一研修室
講師:知多厚生病院 副院長 丹村 敏則 先生
内容:「健康教育・栄養指導に役立つ心理社会的アプローチ」
参加者:42名
今年度のコラボ研修は、知多厚生病院副院長 丹村敏則先生をお迎えし、「健康教育・栄養指導に役立つ心理社会的アプローチ」についてご講演をいただきました。
丹村先生の30年間の臨床経験をもとに、様々な立場の参加者が理解しやすい内容で、わかりやすくお話ししていただきました。
健康教育における課題は、昭和では「結核予防」、平成に入り「がん予防」、そして現在は「メンタルヘルス」へと移り変わり、指導における心理社会的なアプローチが重要になっているということを健康教育と糖尿病療養の歴史と先生の経験からお話ししていただきました。
心理社会的アプローチによる対象者の行動変容は5つの段階があり、それぞれの段階に応じた指導の仕方について具体的に教えていただきました。私たち栄養士が食事指導にそのまま応用できる内容で、大変勉強になりました。
現在、糖尿病治療は、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士など様々な職種のスタッフがチームで行っています。スタッフが連携して行う「チーム医療」の重要性についてお話しいただきました。心理社会的アプローチによる対象者の行動変容は、スタッフの職種によって違うので、チームで情報を共有し、対象者の得意な分野から苦手な分野にアプローチしていくことが効果的であるとのことでした。
糖尿病以外にも多くの事例を紹介し、うつ病・ストレス対策には周りのサポートが必要であることや、患者自身の目標や希望を尊重し、それを医療者が援助していくという「エンパワーメント」の考え方などを教えていただきました。 患者に寄り添うことで、患者自身も気が付いていないストレスや不調の原因を特定し、援助していくチーム医療に感銘を受けました。周りとの絆や連携、対象者を信じぬくことの大切さを教えていただき、非常に有意義な研修会となりました。
(報告者:愛知県立三好特別支援学校 都築 朋代)